Sacroiliac Joint Dysfunction

紀の川市の仙腸関節障害(仙腸関節症候群)、
片側のお尻と腰の痛みにお悩みの方へ

「整形外科でヘルニアや脊柱管狭窄症と言われたが、画像所見が軽微で治療効果が乏しい」
「産後、片側のお尻と腰がずっと痛む」「ゴルフ・介護仕事で片側のお尻深部がつらい」というあなたへ。
整形外科診断後の保存的なケアの選択肢として、国家資格者が問診とワンフィンガーテスト・周囲筋の状態確認でお身体を評価し、仙腸関節周囲の筋群(梨状筋・大殿筋・腸腰筋など)への鍼灸・手技・運動指導で対応します。

はり師・きゅう師・柔道整復師 完全予約制 無料駐車場3台 LINE24時間受付
紀の川市Kei鍼灸整骨院で仙腸関節障害(仙腸関節症候群)に対する保存的な鍼灸・手技アプローチ
Sacroiliac Joint Dysfunction (SIJ)

仙腸関節障害(仙腸関節症候群)、
片側のお尻と腰の痛みのケアを一緒に

仙腸関節障害(仙腸関節症候群)は、骨盤を構成する仙骨と腸骨をつなぐ仙腸関節の機械的な機能不全や周囲組織への負荷で生じるとされる病態です。整形外科でヘルニア・脊柱管狭窄症と言われたが画像所見が軽微で改善が乏しい方、産後の片側骨盤痛ゴルフ・介護・建設などの片側荷重でお尻深部の痛みが続く方からのご相談が多い症状です。当院は整形外科診断後の保存的なケアの選択肢として、仙腸関節周囲の筋群(梨状筋・大殿筋・腸腰筋)への鍼灸・手技・運動指導で対応します。

こんな症状はありませんか?

  • 片側のお尻と腰の境目あたりにピンポイントで痛みがある(ワンフィンガーで指せる)
  • 朝の起き上がり・椅子からの立ち上がりで片側骨盤が痛む
  • 長時間座位や片足重心で片側のお尻〜太もも裏が痛む
  • 整形外科でヘルニア・狭窄症と言われたが画像所見が軽微で治療効果が乏しい
  • 産後、片側のお尻〜太もも痛が長引いている(抱っこ・授乳で悪化)
  • ゴルフのスイング後・介護仕事のあと、片側のお尻深部が痛む
仙腸関節障害 仙腸関節症候群 仙腸関節炎 片側お尻の痛み 産後骨盤痛 SIJ Dysfunction 保存的ケア

あなたの腰・お尻の痛み、こんな状態ではありませんか?

  • 片側のお尻と腰の境目あたりにピンポイントで痛みがある(ワンフィンガーで一点を指せる)
  • 朝の起き上がりや寝返りで片側骨盤に鋭い痛みが走る
  • 椅子から立ち上がる最初の数歩で、片側のお尻に痛みが出る
  • 長時間座っていると片側のお尻〜太もも裏がだるくなる
  • 片足重心の立ち方や脚を組んで座る習慣で、片側骨盤に違和感がある
  • 整形外科でヘルニア・脊柱管狭窄症と言われたが画像所見が軽微で改善が乏しい
  • 産後、片側のお尻〜太もも痛が長引いている(抱っこ・授乳の姿勢で悪化)
  • ゴルフ・テニス・ランニング後、または介護・建設・農作業のあとに片側お尻深部が痛む

一つでも当てはまる項目があれば、保存的なケアの選択肢を一度ご検討ください。整形外科の診断後の方も、主治医と並行してご相談いただけます。

仙腸関節障害(仙腸関節症候群)の病態と3タイプ — まずは仕組みを理解する

仙腸関節障害(仙腸関節症候群/Sacroiliac Joint Dysfunction、略称SIJ)は、骨盤を構成する仙骨と腸骨をつなぐ仙腸関節(左右1対)の機械的な機能不全や、関節周囲組織への負荷によって生じるとされる、片側のお尻と腰の痛みを主体とする病態です。米国家庭医学雑誌(AAFP)2022年3月号では、慢性腰痛のうち約25%が仙腸関節由来と報告されており、決して珍しい病態ではありません。一方で、X線・MRIなどの画像検査で異常が映りにくいため、長らく見過ごされやすい腰痛のひとつと指摘されてきました。背景となる生活負荷によって産後型・中高年型・スポーツ労務型の3つに大別でき、自分のタイプを知ることがケア選択の第一歩になります。

仙腸関節とは — 仙骨・腸骨・3〜5mmの可動域・主要靭帯

仙腸関節は、骨盤の後ろ側で仙骨(背骨の一番下にある三角形の骨)腸骨(骨盤の左右にある大きな羽状の骨)が接する場所にある関節です。一般的な関節と異なり、可動域はわずか3〜5mm程度・回旋角度で1〜3度程度とごく小さく、前仙腸靭帯・後仙腸靭帯・骨間仙腸靭帯などの強固な靭帯で固定されています。この強固な靭帯固定があるからこそ、上半身の重みを左右の脚に伝えるという荷重伝達の要としての役割を果たせると考えられています。

一方で、可動域が極めて小さいということは、関節そのものを大きく動かしたり位置を変えたりすることは現実的に困難であることを意味します。「仙腸関節がズレている」「骨盤の歪みを矯正する」といった表現を耳にすることがありますが、現在の解剖学・整形外科学の知見では、こうした表現を字義通りに捉えることには慎重さが必要とされます。当院では、仙腸関節を直接動かそうとするのではなく、関節への負荷を作り出している周囲筋(梨状筋・大殿筋・中殿筋・腸腰筋・大腿筋膜張筋・腰方形筋など)の緊張バランスを整えるという考え方でアプローチを組み立てます。

仙腸関節の解剖図 — 仙骨と腸骨が接する位置、後仙腸靭帯のフィブリ構造、可動域3〜5mmの強固な靭帯固定
図:仙腸関節は仙骨と腸骨が接する場所で、強固な靭帯で固定されている荷重伝達の要

慢性腰痛の約25%は仙腸関節由来 — AAFP 2022 の報告

米国家庭医学雑誌『American Family Physician』2022年3月号(Vol.105, No.3)の総説では、慢性腰痛患者の約25%が仙腸関節を痛みの原因部位として持つと報告されています。これはランダム化比較試験・大規模コホート研究の総合的なレビューに基づく数値で、世界的にも仙腸関節障害は「決して稀ではないが、画像検査では見逃されやすい腰痛」と認識されつつあります(出典: AAFP 2022, "Sacroiliac Joint Dysfunction: Evaluation and Management")。日本でも日本仙腸関節研究会が中心となり、ワンフィンガーテスト(One Finger Test)などの徒手評価法の啓発が進められています。整形外科でヘルニア・狭窄症と言われたが画像所見が軽微で治療効果が乏しい場合、こうした選択肢の可能性も検討の余地があるとされています。

病態の3型分類 — 機能型・構造型・混合型

仙腸関節障害は、その背景となる機序によって整形外科領域で次の3型に大別して理解されています(AR-Ex 国内ガイドライン的アプローチほか)。当院では、どのタイプに近いかを問診と徒手検査で見立てたうえで、対応の組み立てを変えていきます。

  • 機能型(Functional Dysfunction) — 関節そのものに構造異常はなく、周囲筋の緊張バランスの偏りや姿勢・動作習慣の累積で仙腸関節周囲に負荷がかかっているタイプ。3タイプの中で最も多くみられるとされ、保存的ケアでの対応余地が大きいタイプです。画像検査で異常が映らないことが多いのも特徴です。
  • 構造型(Structural Dysfunction) — 過去の外傷(尻もちなど)・出産による靭帯損傷・先天的な仙腸関節の形態異常など、構造的な変化が背景にあるタイプ。重度の場合は整形外科でブロック注射・関節固定術などの選択肢が検討されることもあります。
  • 混合型(Mixed Type) — 上記2型の要素を併せ持つタイプ。実臨床ではこの混合型が最も多いと考えられており、構造的な弱さがある方が動作習慣の累積で機能的な負荷を抱える、というパターンが典型的です。

当院でご相談いただく方の多くは機能型または混合型に近いと推察される方々で、整形外科の画像検査で「ヘルニア・狭窄症は軽度」「特に異常なし」と言われた段階でご来院されるケースが目立ちます。

なぜ「画像で異常なし」と言われるのか

仙腸関節障害が長らく見過ごされやすかった大きな理由は、X線・MRI・CTなどの画像検査で異常所見が映りにくいことにあります。前述の通り、仙腸関節は強固な靭帯で固定されており、関節そのものが大きく変化することは稀です。さらに、機能型の仙腸関節障害では関節そのものの構造に変化がないため、画像上は「異常なし」となります。

一方、患者さまの側では「画像で異常がないのに痛みが続く」「ヘルニアと言われたが、症状の場所が違う気がする」という違和感を抱えて、複数の医療機関を回られるケースもあります。整形外科で「ヘルニア」「狭窄症」「梨状筋症候群」「坐骨神経痛」とさまざまに言われたものの、画像所見と症状の場所が一致しない・治療効果が乏しい、というご相談を当院でもお受けします。こうした場合、仙腸関節周囲の機能的な問題が背景にある可能性も、検討の余地があるとされています。なお、確定診断や鑑別は整形外科・リウマチ科の領域です。当院は確定診断を行う立場ではなく、保存的ケアの選択肢を提供する施設としてご利用いただいています。

背景負荷による3タイプ

同じ「仙腸関節障害(仙腸関節症候群)」とされても、背景にある生活負荷の違いによって対応の組み立て方が変わります。当院では下記の3タイプに大別して、それぞれの方の生活に合った保存的なケアをご相談します。

Type 1
産後型(30〜40代女性)

出産後に片側のお尻〜太もも痛が長引いている方。リラキシンというホルモンの影響で妊娠中から骨盤帯の靭帯が緩み、出産で更に負荷がかかった結果、産後しばらく経っても片側骨盤痛が残るパターンです。抱っこ・授乳・添い寝・寝かしつけなどの非対称な姿勢が日々累積するため、ホルモンが落ち着いた後も周囲筋の緊張バランスが偏ったまま固定化しやすい傾向があります。「リラキシンの影響で時間で戻ると言われたけれど、半年経っても痛い」というご相談が典型例です。授乳の状況・1ヶ月健診後かどうか・分娩経過によって対応開始のタイミングが異なるため、まずはかかりつけ医にご相談ください。

出産後の片側骨盤痛が長引くタイプ。抱っこ・授乳の非対称な姿勢で周囲筋の緊張バランスが偏ったまま固定化。

特徴: 産後 / 30〜40代女性 / 抱っこ授乳の姿勢が鍵

Type 2
中高年型(50〜70代)

朝の起き上がり・椅子からの立ち上がり時に片側のお尻と腰に痛みが走るタイプ。整形外科で腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症と診断されたものの、MRIで顕著な所見がなく治療効果も乏しい、というパターンが多くみられます。長年の片側荷重習慣(脚を組む・横座り・片側に重心をかけて立つ)の累積、加齢に伴う周囲筋の柔軟性低下、変形性股関節症・変形性腰椎症などの併存が背景にあると推察されます。「ヘルニアと言われて手術を勧められたが、痛みの場所が違う気がする」「狭窄症と診断されたがブロック注射の効果が短い」とご相談に来られる方が、3タイプの中で当院では最も多い印象です。

50〜70代に多く、ヘルニア・狭窄症と言われたが画像所見が軽微で治療効果が乏しいタイプ。片側荷重習慣が累積。

特徴: 50〜70代 / 画像軽微 / 片側荷重習慣の累積

Type 3
スポーツ・労務型(30〜50代)

ゴルフ・野球・テニス・ランニングなどの片側荷重の強いスポーツ、または介護・建設・農作業・運搬などの片側荷重の労務で発症するタイプ。片側のお尻深部にズーンと響くような痛みが特徴で、整形外科で「梨状筋症候群」「坐骨神経痛」と言われた方もいらっしゃいます。スイング動作・荷物を片側で抱える動作・しゃがみ込み動作などで仙腸関節周囲に繰り返し負荷がかかると、周囲筋(梨状筋・腸腰筋ほか)が過緊張を起こし、結果として片側骨盤痛が長引きやすい傾向があります。競技継続・労務継続が前提のご相談が多く、無理のない範囲での負荷コントロールが鍵になります。

ゴルフ・介護仕事など片側荷重で発症。30〜50代に多く、梨状筋症候群・坐骨神経痛と言われた方も。

特徴: 片側荷重スポーツ・労務 / 30〜50代 / 競技/労務継続が前提

仙腸関節障害の3タイプの患者像 — 産後型(赤ちゃんを抱きながら腰の痛みに困る母親)・中高年型(朝の起き上がりで腰を押さえる中高年男性)・スポーツ労務型(ゴルフスイング後に腰を痛める男性)
図:仙腸関節障害が起きやすい3つの背景(産後 / 中高年 / スポーツ労務)

動作別の症状変化 — 自分の痛みのサインを観察する

仙腸関節障害は、動作によって痛みの強さがはっきり変化することが多く知られています。これは仙腸関節と周囲筋への機械的な負荷の増減が背景にあるためと考えられています。下記は一般的な傾向です(個人差あり)。

  • 悪化しやすい動作・場面 — 朝の起き上がり/寝返り/椅子からの立ち上がり最初の数歩/片足重心の立ち方/脚を組んで座る/床に横座り(お姉さん座り)/長時間の同一姿勢/片側で重い荷物を持つ/ゴルフ・テニスのスイング後/ランニング後
  • 楽になりやすい場面 — 入浴で腰回りが温まったとき/骨盤ベルトを装着しているとき/両足均等に重心をかけたとき/仰向けで膝を立てて休んでいるとき/軽い歩行で動きが出た後
  • 典型的な所見 — 痛みの場所をワンフィンガー(人差し指1本)で指せる(上後腸骨棘=PSIS付近・お尻と腰の境目)/左右どちらか片側のみの痛みが主訴/前屈や後屈そのものより、片足重心や非対称姿勢で増悪
  • 放散痛の傾向 — 片側のお尻〜太もも裏の上部までの鈍痛として広がることが多い/膝より下に明確なしびれが放散する場合は、坐骨神経痛・腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症などの鑑別が必要

Laslettクラスター — 国際的に知られる徒手評価方法

仙腸関節障害の徒手評価で世界的に知られているのが、ニュージーランドの理学療法士Laslett ら2005年の研究で提示された仙腸関節クラスター(Laslett Cluster)と呼ばれる5つの誘発テストを組み合わせる評価方法です。単一のテストでは評価精度が限定的でも、複数のテストを組み合わせることで、より参考になる所見が得られるとされる考え方です。

Laslettクラスター — 5テスト3つ以上陽性で感度94%・特異度78%

Laslett M ら2005年の研究および、米国家庭医学雑誌(AAFP)2022年3月号での総説では、以下の5つの誘発テスト(Distraction Test / Compression Test / Thigh Thrust Test / Sacral Thrust Test / Gaenslen Test)のうち3つ以上が陽性となった場合、仙腸関節由来の痛みである可能性について感度94%・特異度78%と報告されています。なお、当院では「診断」を行う立場ではないため、これらの誘発テストを日常的に実施しているわけではなく、知識として認識しつつ必要に応じて参考にする位置づけです。確定診断や鑑別は整形外科・リウマチ科の領域で、医療機関での評価をお願いしています。出典: Laslett M, et al. "Diagnosis of sacroiliac joint pain: validity of individual provocation tests and composites of tests." Man Ther. 2005;10(3):207-218. および AAFP 2022, "Sacroiliac Joint Dysfunction: Evaluation and Management."

各テストの実施内容は次のとおりです(あくまで概要・自己実施を推奨するものではありません)。

  • Distraction Test(ディストラクションテスト・牽引テスト) — 仰向けで両側の上前腸骨棘(ASIS)を外側に押し広げ、仙腸関節を引き離す方向の負荷をかけて痛みを誘発するか確認する。
  • Compression Test(コンプレッションテスト・圧迫テスト) — 横向きで上側の腸骨稜を真下に押し下げ、仙腸関節を圧迫する方向の負荷をかけて痛みを誘発するか確認する。
  • Thigh Thrust Test(サイサーストテスト・大腿後方押し込みテスト) — 仰向けで片側の股関節を90度屈曲させ、大腿骨を後方に押し込むようにして仙腸関節に剪断力を加える。
  • Sacral Thrust Test(仙骨スラストテスト) — うつ伏せで仙骨中央を真下に押し下げ、仙腸関節への負荷で痛みを誘発するか確認する。
  • Gaenslen Test(ゲンスレンテスト) — 仰向けで一側の脚をベッド外に垂らし、反対側の膝を抱え込むことで仙腸関節にストレスを加える。

これらに加えて、日本では日本仙腸関節研究会が啓発するワンフィンガーテスト(One Finger Test)も参考にされます。これは「痛みの場所を人差し指1本で指してください」と尋ね、患者さまが上後腸骨棘(PSIS)付近・お尻と腰の境目の一点を指す場合に仙腸関節障害が示唆される、というシンプルな確認方法です。当院でも初回の問診でまずワンフィンガーテストを試みます。

自然経過と保存療法

仙腸関節障害の自然経過については、診断基準が研究によって異なるため大規模な追跡データが限定的ですが、AAFP 2022 の総説では「適切な保存的ケアと負荷因子の見直しにより、多くの方で症状緩和が得られる」と報告されています。一方、機能型と推察される方では数週間〜数ヶ月での軽快が期待される一方、構造型・混合型では数ヶ月〜半年以上の経過観察が必要となるケースもあるとされています。完全に違和感が消えるまでに時間がかかる方も少なくないことを念頭に、無理のないペースで取り組むことが大切です。

保存療法の位置づけ — AAFP 2022 と国内ガイドライン的アプローチ

AAFP 2022 では、仙腸関節障害の初期対応として「負荷因子の見直し・運動療法・徒手療法(マニュアルセラピー)」を中心とした保存療法がまず推奨されています。難治例ではブロック注射・高周波熱凝固(RFA)・関節固定術などが選択肢として段階的に検討されるとされていますが、これらは整形外科・ペインクリニックの医療領域です。当院の鍼灸・手技・物理療法・運動指導は、整形外科の主治医による治療と並行できる『保存的なケアの選択肢のひとつ』としてご利用いただけます。個別の施術可否・通院ペースは、お身体の状態を確認したうえでご案内します。

背景因子 — 動作累積・周囲筋の柔軟性・ホルモン影響

仙腸関節障害は単一の原因で起こることは少なく、動作の累積(片側荷重スポーツ・労務・育児姿勢)・周囲筋(梨状筋・腸腰筋・大殿筋ほか)の柔軟性低下・産後のホルモン影響・加齢に伴う靭帯の変化・既往の外傷(尻もちなど)など複数の要因が重なって発症することが多いと考えられています。改善のためには痛みの除去だけでなく、これら背景因子の見直しが重要です。

なぜ片側だけ痛むのか

仙腸関節障害の典型的な特徴のひとつが「左右どちらか片側のみの痛み」です。これは、私たちの日常生活が本質的に非対称であることが背景にあります。利き手・利き脚、よく組む脚の方向、いつもバッグを持つ肩、抱っこの抱え方、ゴルフのスイング方向、横座りの向きなど、毎日繰り返される動作はほぼすべて左右非対称です。この非対称な負荷が長年累積すると、左右の周囲筋の緊張バランスが偏り、結果として一側の仙腸関節周囲に負荷が集中しやすくなると考えられています。改善には、痛みのある側の周囲筋へのケアだけでなく、反対側の使い方も含めた左右バランスの見直しがポイントになります。

仙腸関節障害と類似病態 — なぜ鑑別が大事か

仙腸関節障害が長らく「見過ごされやすい腰痛」と言われてきた一方で、逆の問題もあります。それは「仙腸関節障害と思っていたら別の病態だった」というケースです。特に注意したい類似病態は以下のとおりです。これらは確定診断や鑑別が整形外科・リウマチ科の領域であり、当院が判断する立場にはありません。下記の特徴がご自身の症状に当てはまる場合は、まず医療機関にご相談ください。

  • 腰椎椎間板ヘルニア — 痛みが腰〜お尻〜大腿〜膝下まで放散し、特に膝より下のしびれが強い場合。前屈や座位で増悪し、咳・くしゃみで響くのが典型。MRI検査が鑑別の中心です。
  • 腰部脊柱管狭窄症 — 60代以上に多く、歩行を続けると下肢のしびれや脱力が強くなり、前かがみで休むと再び歩ける「間欠性跛行」が特徴。両側性のことも多く、MRIによる鑑別が必要です。
  • 梨状筋症候群 — お尻の深部のピンポイント圧痛と、坐骨神経走行に沿った下肢への放散痛が典型。仙腸関節障害と一部の症状が重なりますが、長時間の座位での増悪傾向や梨状筋ストレッチでの痛み誘発が手がかりとされます。当院では仙腸関節障害と梨状筋症候群が混合していると推察されるケースで、いずれにせよ梨状筋へのケアが対応の中心になります。
  • 腰椎椎間関節症 — 腰の後屈動作で増悪する片側腰痛が特徴。仙腸関節障害と症状の場所が近いことがあり、画像と問診の組み合わせで鑑別されます。
  • 変形性股関節症・FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント) — 鼠径部・大腿前面・お尻深部の痛みが特徴で、股関節の屈曲・内旋動作で増悪。C-sign(鼠径部を手で覆うしぐさ)が典型的とされます。股関節X線・MRIが鑑別の中心です。
  • 強直性脊椎炎 — 上記レッドフラッグ章で詳述。若年男性・夜間痛・朝のこわばり30分以上・3ヶ月以上持続が手がかりで、HLA-B27の血液検査と画像検査による鑑別が必要です。

当院でご相談いただいた段階で、仙腸関節障害が単独ではなく、上記のいずれかの病態と合併しているケースも少なくありません(例: 軽度のヘルニアと仙腸関節周囲の機能不全の合併、腰部脊柱管狭窄症と仙腸関節障害の合併など)。こうした合併例では、整形外科の主治医による治療と並行しながら、当院では仙腸関節周囲の機能的な問題に対する保存的ケアを進める、という役割分担が現実的な対応になります。

仙腸関節障害に関わる生活上のリスク因子

仙腸関節障害の発症や慢性化に関わるとされる生活上のリスク因子を整理します。すべての方に当てはまるわけではありませんが、複数該当する方は背景因子の見直しによって経過が穏やかになる傾向があるとされています。

  • 長時間の片足重心の立ち方 — 接客業・調理場での仕事・育児中の抱っこ姿勢など
  • 長時間の同一姿勢の座位 — デスクワーク・運転・授乳・スマホ姿勢など。骨盤後傾位での座位が続くと仙腸関節周囲への持続的な剪断力を生む
  • 脚を組む・床に横座り(お姉さん座り)習慣 — 骨盤の左右非対称な動きを助長
  • 片側荷重の重労働 — 介護(移乗動作)・建設・農作業・運搬業など、片側に重い荷物を抱える動作の繰り返し
  • 片側荷重の強いスポーツ — ゴルフ・テニス・バドミントン・野球など、スイング方向が一定の競技
  • 過去の外傷 — 強い尻もち・スキー転倒・交通事故での骨盤外傷など
  • 妊娠・出産歴 — リラキシンによる靭帯の緩み・出産時の骨盤帯への負荷
  • 加齢に伴う靭帯・周囲筋の柔軟性低下 — 50代以降に多くみられる傾向
  • 下肢長差(左右の脚の長さの差) — 機能的・構造的いずれの下肢長差も骨盤帯への非対称負荷を生む

セルフチェック(あくまで観察ポイントです)

あなたの症状が仙腸関節障害に近いか、観察ポイント

  • 痛みの場所: 片側のお尻と腰の境目(上後腸骨棘=PSIS付近)の一点をワンフィンガーで指せる
  • 左右差: 左右どちらか片側のみの痛みが主訴である
  • 動作で痛む: 朝の起き上がり/椅子からの立ち上がり/寝返り/片足重心で増悪
  • 放散範囲: 痛みは片側のお尻〜太もも裏上部までで、膝より下への明確なしびれは強くない
  • 画像所見: 整形外科のMRI/CTで「ヘルニア・狭窄症は軽度」「特に異常なし」と言われている
  • 背景負荷: 産後/片側荷重スポーツ(ゴルフ・テニス)/介護・建設・農作業/長年の片側荷重習慣
  • レッドフラッグなし: 夜間痛・朝のこわばり30分以上・発熱・体重減少・両側同時の腫れがない

※ 上記は一般的な傾向であり、確定診断ではありません。仙腸関節障害の確定診断や別の病態(腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症・梨状筋症候群・股関節疾患・強直性脊椎炎など)の鑑別には、医療機関での問診・徒手検査・必要に応じMRI/CT/血液検査が必要です。自己判断ではなく、整形外科・リウマチ科でのご評価を優先してください。

参考情報(出典)American Family Physician (AAFP) 2022年3月号 Vol.105, No.3. "Sacroiliac Joint Dysfunction: Evaluation and Management."(慢性腰痛の約25%が仙腸関節由来 / Laslettクラスター3つ以上陽性で感度94%・特異度78%)
Laslett M, Aprill CN, McDonald B, Young SB. "Diagnosis of sacroiliac joint pain: validity of individual provocation tests and composites of tests." Man Ther. 2005;10(3):207-218.(仙腸関節クラスター誘発テストの提示)
・日本仙腸関節研究会 公式サイト(ワンフィンガーテスト・仙腸関節の可動域3〜5mmの解説)
・難病情報センター 指定難病271「強直性脊椎炎」公式ページ https://www.nanbyou.or.jp/
・AR-Ex Medical Group 仙腸関節障害の3型分類に関する解説
・慶應義塾大学病院 KOMPAS・MSDマニュアル プロフェッショナル版(仙腸関節障害)各公式ページ
・厚生労働省 統合医療情報発信サイト「eJIM」https://www.ejim.mhlw.go.jp/

「仙腸関節障害、どこに行けばいい?」 — 4種類の施設比較

仙腸関節障害(仙腸関節症候群)で迷うのが、整形外科・整骨院・整体・カイロプラクティックの4種類の選択肢です。それぞれ資格と保険適用の有無が異なります。仙腸関節障害は類似症状を示す病態(腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症・梨状筋症候群・股関節疾患・強直性脊椎炎など)が多いため、まず整形外科でMRI/CT等の画像検査と問診・徒手検査による評価を受け、これらの鑑別を済ませたうえで、保存的なケアの選択肢を選んでいくのが一般的です。

整形外科・整骨院・整体・カイロプラクティック 4種類比較表 - 整形外科は医師(国家資格)・健康保険/自賠責適用・診断/画像検査(レントゲンMRI)/投薬/診断書発行を担当。整骨院は柔道整復師(国家資格)・健康保険(急性外傷)/自賠責適用・手技/物理療法/可動域改善/通院ケアを担当。整体は国家資格なし(民間資格)・保険適用なし・自費の手技。カイロプラクティックは日本では民間資格・保険適用なし・脊椎/関節調整(自費)。整体・カイロは民間資格で医療行為ではない。資格と保険の有無で目的別に使い分け。
整形外科・整骨院・整体・カイロプラクティックの違い。資格と保険の有無で目的別に使い分けます(整体・カイロは民間資格で医療行為ではありません)。

当院は柔道整復師・はり師・きゅう師の国家資格者が施術いたします。料金については初回ご来院時に丁寧にご案内いたします。夜間痛・発熱・体重減少・両側同時の腫れ・原因不明の足のしびれ進行など緊急性のある症状は整形外科の受診を最優先してください(下記レッドフラッグ参照)。

ヘルニア・狭窄症と言われたが画像所見が軽微な方へ

「整形外科でヘルニアと診断されたが、画像でははっきりした所見がない」「狭窄症と言われたが、痛みの場所が違う気がする」「ブロック注射の効果が短くて改善が乏しい」というご相談を多くいただきます。
当院では問診とワンフィンガーテスト・周囲筋の状態確認で現状を把握し、仙腸関節周囲の筋群(梨状筋・大殿筋・腸腰筋ほか)へのアプローチを含む保存的なケアの選択肢を一緒にご検討します。

こんな症状は、まず医療機関へ — レッドフラッグの早期対応

当院は鍼灸・柔道整復施術を行う施設であり、画像検査・投薬・診断はできません。腰・お尻の片側痛と一見「仙腸関節障害」「梨状筋症候群」に見えても、強直性脊椎炎(指定難病271)・感染性仙腸関節炎・腫瘍性病変・腰椎椎間板ヘルニアの急性増悪・馬尾症候群・股関節の疾患(変形性股関節症・大腿骨頭壊死・FAI)など、画像検査・血液検査による鑑別を要する病態が隠れていることがあります。下記に該当する症状がある場合は、当院ではなく、まず整形外科・リウマチ科・必要に応じ救急外来を最優先で受診してください。

強直性脊椎炎(指定難病271) — 若年男性・夜間痛・朝のこわばり30分以上は要鑑別

仙腸関節障害として最も注意したい鑑別疾患が強直性脊椎炎(Ankylosing Spondylitis/AS)です。これは厚生労働省指定難病271に登録されている炎症性疾患で、仙腸関節炎を初発症状とすることが多いとされています。発症は10代後半〜30代の若年層に多く、男性の発症が女性より約3倍多いと報告されています(出典: 難病情報センター)。長期間放置すると脊椎が徐々に強直(こうちょく・固まる)していき、姿勢制限・呼吸機能低下を来たすケースもあります。早期発見・早期対応が重要で、リウマチ科・整形外科でのHLA-B27の血液検査・X線・MRIによる鑑別が必要です。

強直性脊椎炎を疑うサイン(次のような症状があればリウマチ科・整形外科へ)

  • 10代後半〜30代の若年男性(若年女性での発症もあり)
  • 夜間・明け方の腰やお尻の痛みで目が覚める/起床後に強くこわばる
  • 朝のこわばりが30分以上続く(机に座って動き始めて30分経たないと楽にならない)
  • 症状が3ヶ月以上持続している
  • 身体を動かすと楽になり、安静で悪化するパターン
  • 家族に強直性脊椎炎・乾癬性関節炎・炎症性腸疾患などの方がいる
  • 目の充血・痛み(虹彩炎・ぶどう膜炎)を繰り返したことがある

該当する方は、当院ではなく整形外科・リウマチ科の受診を最優先でお願いします。当院は鑑別・確定診断を行う立場にはありません。早期発見・早期対応の重要性が指摘されている疾患のひとつです。出典: 難病情報センター 指定難病271「強直性脊椎炎」公式ページ。

感染性仙腸関節炎・腫瘍性病変 — 発熱・体重減少を伴う場合

頻度は稀ですが、感染性仙腸関節炎(化膿性仙腸関節炎)は仙腸関節に細菌感染が起こる病態で、38℃以上の発熱・片側骨盤の激痛・腫れ・全身倦怠感を伴います。糖尿病・免疫抑制薬使用中・透析中・産後など免疫機能が低下した状態で発症リスクが上がるとされ、緊急性の高い疾患です。また、原因不明の体重減少・夜間痛・がん既往がある方の新規腰痛は、骨転移・腫瘍性病変の鑑別も必要となります。これらに該当する場合は当院ではなく、まず整形外科または内科でご相談ください。

鑑別6疾患の比較表

仙腸関節障害と症状が類似しやすい代表的な6疾患を比較表でまとめます。最終的な確定診断や鑑別は整形外科・リウマチ科の領域ですが、ご自身の症状を整理するうえで参考にしてください。鑑別が済んだあとの保存的ケアについては、当院でもご相談いただけるケースがあります。

疾患痛みの主な場所悪化動作・特徴医療機関での鑑別・確認
仙腸関節障害 片側のお尻と腰の境目(PSIS付近)・ワンフィンガーで指せる 朝の起き上がり/椅子からの立ち上がり/片足重心/画像所見が軽微 整形外科で他疾患の除外(鑑別後、当院でも対応可)
腰椎椎間板ヘルニア 腰〜片側下肢(殿部〜大腿〜膝下まで放散) 前屈・座位で増悪/咳・くしゃみで響く/膝より下のしびれが強い 整形外科でMRI検査(→ ヘルニアLPへ
腰部脊柱管狭窄症 腰〜両側下肢(殿部〜大腿〜下腿) 歩行で増悪し前かがみで楽(間欠性跛行)/60代以上に多い 整形外科でMRI検査(→ 狭窄症LPへ
梨状筋症候群 片側殿部の深部〜大腿後面(坐骨神経走行に沿う) 長時間の座位で増悪/お尻深部の押圧で再現/梨状筋ストレッチで誘発 整形外科で他疾患の除外(→ 坐骨神経痛・しびれLPへ
股関節疾患(FAI・変形性) 鼠径部・大腿前面・お尻深部 股関節の屈曲内旋で増悪/可動域制限/C-sign(鼠径部を手で覆う) 整形外科で股関節X線・MRI(手術検討含む)
強直性脊椎炎(指定難病271) 仙腸関節(両側のことも)・腰・脊椎全体 若年男性/夜間痛/朝のこわばり30分以上/3ヶ月以上持続/運動で楽 リウマチ科・整形外科でHLA-B27血液検査(当院対応外)

次のような症状があれば、まず医療機関へ(緊急性・要鑑別)

  • 10代後半〜30代の若年男性で、夜間・明け方の腰/お尻の痛みで目が覚める(強直性脊椎炎の疑い)
  • 朝のこわばりが30分以上続き、3ヶ月以上持続する(強直性脊椎炎の疑い)
  • 38℃以上の発熱と片側骨盤の激痛・腫れがある(感染性仙腸関節炎の疑い)
  • 原因不明の体重減少・夜間痛・がん既往歴がある方の新規腰痛(腫瘍性病変の鑑別)
  • 足の脱力(つま先立ちができない/足を持ち上げにくい)が新規に出現した
  • 会陰部のしびれ・排尿排便障害がある(馬尾症候群の疑い・緊急受診)
  • 明らかな外傷後の急激な片側骨盤痛・歩行困難(骨盤骨折の疑い)
  • 両側の関節(手指・手首・膝など)が同時にこわばる・腫れる(関節リウマチの鑑別)
  • 目の充血・痛み・羞明を繰り返したことがある(強直性脊椎炎関連のぶどう膜炎の鑑別)
  • 妊娠中・出産後1ヶ月未満で激痛が続く(産婦人科主治医に確認)

特に若年男性の夜間痛・朝のこわばり30分以上は強直性脊椎炎、会陰部のしびれ・排尿排便障害は馬尾症候群、発熱+激痛は感染性仙腸関節炎など、画像検査・血液検査による鑑別が必要な疾患の可能性があります。当院は整形外科・リウマチ科の診断後、上記レッドフラッグに該当しない方の典型的な仙腸関節障害(産後型・中高年型・スポーツ労務型)の保存的なケアの選択肢としてご利用いただいています。

当院の役割と限界 — 透明性の確保

仙腸関節障害の対応において、当院ができること・できないことを明示しておきます。安心して通院判断していただくために、限界も含めてお伝えします。

当院ができること

  • 問診・徒手評価(ワンフィンガーテスト・周囲筋の触診・動作観察)による状態把握
  • 仙腸関節周囲筋(梨状筋・大殿筋・中殿筋・腸腰筋・大腿筋膜張筋・腰方形筋)への鍼灸・手技
  • 柔道整復施術による骨盤帯モビライゼーション・関節周囲のテンションコントロール
  • 物理療法(ハイボルテージ・超音波)による症状緩和の補助
  • ストレッチ・運動指導・自宅セルフケアのご案内
  • 骨盤ベルトの装着位置・タイミングのご相談
  • 受診目安(レッドフラッグ)該当時の医療機関への受診案内
  • 育児・スポーツ・労務を続けながらの段階的なご相談

当院ができないこと

  • 「仙腸関節障害です」「強直性脊椎炎ではありません」等の医学的診断・病名の確定
  • X線・MRI・CT・血液検査(HLA-B27など)等の画像検査・血液検査と所見の解釈
  • 医療機関での仙腸関節ブロック注射・高周波熱凝固(RFA)・関節固定術
  • 強直性脊椎炎・関節リウマチなど炎症性疾患に対する薬剤治療の判断や調整
  • 妊娠中の方の判断(必ずかかりつけの産婦人科主治医にご相談ください)
  • 「仙腸関節を整える」「骨盤の歪みを正す」といった矯正的な施術(解剖学的に困難な領域)

医療機関での治療を受けている方へ

整形外科・ペインクリニックで仙腸関節ブロック注射・神経ブロック注射・高周波熱凝固(RFA)などの治療を受けられている方も多くいらっしゃいます。当院の鍼灸・手技・物理療法は注射とは作用機序が異なるアプローチで、注射の効果を評価する立場にはありません。医療機関での治療を中心にしたうえで、現在の治療内容・通院ペース・お薬や注射のタイミングを初回ご来院時にお伺いし、処方医の指示を最優先に当院での施術方針を決定いたします。なお、関節固定術や高周波熱凝固などの医療行為は当院では行いません。

当院の仙腸関節障害へのアプローチ — 関節そのものではなく「周囲筋」から

当院では、仙腸関節障害(仙腸関節症候群)の背景にあると考えられる「仙腸関節周囲筋(梨状筋・大殿筋・中殿筋・腸腰筋・大腿筋膜張筋・腰方形筋など)の過緊張」「左右の周囲筋バランスの偏り」「日常動作の片側荷重習慣」「産後のホルモン影響後の周囲筋の固定化」「肩甲帯〜腰部〜骨盤〜股関節〜下肢の連動性」に着目し、鍼灸・柔道整復・物理療法・運動指導を組み合わせてアプローチします。整形外科診断後の保存的なケアの選択肢として、症状緩和と日常生活復帰の改善を目指す方針です。

なぜ「周囲筋」へのアプローチが中心になるのか

前述の通り、仙腸関節は可動域が3〜5mm程度・回旋角度で1〜3度程度とごく小さく、前仙腸靭帯・後仙腸靭帯・骨間仙腸靭帯などの強固な靭帯で固定されている関節です。この強固な靭帯固定があるからこそ、上半身の荷重を左右の脚に伝えるという機能を果たせます。逆に言えば、関節そのものを大きく動かしたり位置を変えたりすることは現実的に困難です。「骨盤の歪みを矯正する」「仙腸関節のズレを治す」といった表現を耳にすることがありますが、現代の解剖学・整形外科学の知見では、これらの表現を字義通りに捉えることには慎重さが必要とされます。

そこで当院では、関節そのものを動かそうとするのではなく、関節への負荷を作り出している周囲筋の緊張バランスを整えることを軸にアプローチを組み立てています。周囲筋のうち特に重要視するのは次の筋群です。これらの筋群はいずれも、仙腸関節や骨盤帯に直接付着しているか、骨盤帯のアライメントに大きな影響を与える筋群です。

  • 梨状筋(りじょうきん) — 仙骨前面〜大腿骨大転子をつなぐ深層筋。仙腸関節の安定化に関与し、坐骨神経が直下を走るため、過緊張すると坐骨神経痛様の症状を伴いやすい。仙腸関節障害の方の多くで強い緊張がみられる中核筋。
  • 大殿筋(だいでんきん) — お尻の最大の筋肉で、股関節の伸展・外旋を担う。仙腸関節周囲のアライメントと荷重バランスに直接関わるため、過緊張・筋力低下のいずれも仙腸関節障害に関与する。
  • 中殿筋(ちゅうでんきん) — 骨盤の側方安定性を担う筋肉。片側支持時のトレンデレンブルク徴候(骨盤の傾き)に関与し、機能不全だと仙腸関節への過剰な剪断力を生む。
  • 腸腰筋(ちょうようきん) — 腰椎〜骨盤〜大腿骨をつなぐ深層筋(大腰筋・腸骨筋の総称)。仙腸関節の前方からの安定性に寄与し、長時間の座位で短縮しやすく、立ち上がり時の片側骨盤痛と密接に関係する。
  • 大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん) — 骨盤外側〜腸脛靭帯につながる筋肉。片側荷重習慣で過緊張しやすく、仙腸関節〜股関節外側の負荷分布を変える。
  • 腰方形筋(ようほうけいきん) — 腰椎〜腸骨稜をつなぐ筋肉。骨盤の側方への傾き(横揺れ)に関わり、片側で短縮すると同側の仙腸関節への持続的な剪断力を生む。

これら周囲筋の緊張バランスは、左右が均等であれば仙腸関節への負荷も分散されますが、利き脚・脚を組む癖・抱っこの方向・スイング方向・労働動作などの累積で必ず非対称になります。当院では、痛みのある側の周囲筋の過緊張をゆるめると同時に、反対側の筋群の状態も確認し、左右バランスの偏りを整えるという考え方で施術を組み立てます。

4ステップでのアプローチ内容

同じ「仙腸関節障害」と推察される方でも、3タイプ(産後型・中高年型・スポーツ労務型)・症状経過・周囲筋の状態・動作パターンによって適切なアプローチは異なります。当院ではいきなり施術に入るのではなく、問診・ワンフィンガーテスト・周囲筋の触診・動作観察で現状を丁寧に把握することを大切にしています。レッドフラッグ(夜間痛・朝のこわばり30分以上・発熱・体重減少・神経学的脱落徴候など)に該当する可能性がある場合は、速やかに医療機関への再受診をおすすめします。

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評価 — 問診・ワンフィンガーテスト・周囲筋確認

初回ご来院では、痛みの場所・性質・誘発動作・お仕事や生活背景、整形外科での診断内容や治療歴を丁寧にお伺いします。次に、ワンフィンガーテストで痛みの一点を確認し、周囲筋の柔軟性・圧痛(梨状筋・大殿筋・腸腰筋ほか)と、動作による痛みの変化を観察します。「診断」を行う立場ではなく、保存的ケアの可否や対応の組み立てを判断する目的で実施します。レッドフラッグ所見があれば、施術より先に医療機関の受診を最優先でおすすめします。

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柔道整復・徒手による仙腸関節周囲筋・骨盤帯の調整(仙腸関節障害)
柔道整復・徒手アプローチのイメージ

柔道整復・徒手 — 周囲筋トリガーポイント・骨盤帯モビライゼーション

仙腸関節周囲筋(梨状筋・大殿筋・中殿筋・腸腰筋・大腿筋膜張筋・腰方形筋)のトリガーポイントへの手技による圧迫・伸張・モビライゼーションを、柔道整復師の手で丁寧に行います。仙腸関節障害の方は、痛みのある側だけでなく反対側の腰方形筋や対側の腸腰筋にも過緊張を抱えていることが多く、左右の連動性を見ながら緊張バランスを整えていきます。仙腸関節そのものを大きく動かす施術ではなく、骨盤帯(仙骨〜腸骨〜腰椎〜股関節)の連動性を改善し、関節への過剰なテンションを減らすことを目的とします。刺激量は症状の経過と感受性に応じて控えめに調整します。

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周囲筋(梨状筋・腸腰筋ほか)への鍼灸施術(仙腸関節障害への保存的アプローチ)
鍼灸施術のイメージ

鍼灸 — 周囲筋へのトリガーポイント施術(深部到達性が強み)

仙腸関節障害における鍼灸の中心となるのは、仙腸関節そのものではなく、関節周囲の深層筋へのトリガーポイント施術です。特に梨状筋・腸腰筋(大腰筋)はお尻の深部・体幹深部にある筋群で、皮下5〜10cm程度の深さに位置するため、マッサージや整体の手技では直接届きにくい層です。鍼は皮下数cmまで直接届くため、手技単独ではアプローチしにくい深層筋への介入が可能とされています。
大殿筋・中殿筋・腰方形筋などの比較的浅い筋群への施術も組み合わせ、仙腸関節周囲全体の緊張バランスを整えることを目的とします。仙腸関節障害そのものに特化した大規模ランダム化比較試験は当院が把握する限り限定的なため「効果がある」と断定する書き方は致しませんが、周囲筋への鍼灸施術は梨状筋症候群・筋筋膜性腰痛などの関連病態で報告が蓄積されている領域です。当院は症状緩和の補完的な選択肢としてご案内しており、整形外科の治療を中止する判断はせず、主治医と並行してご相談ください。効果には個人差があります。
→ 紀の川市の鍼灸ページで詳しく

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ストレッチ・運動指導・骨盤ベルト — 周囲筋ケアの習慣と動作工夫

施術で楽になっても、原因となる動作習慣が変わらなければ症状は戻りやすくなります。仙腸関節障害では特に周囲筋(梨状筋・腸腰筋・大殿筋ほか)のストレッチ・日常の片側荷重習慣の見直し・骨盤ベルトの活用を生活に組み込むことが重要です。具体的には、仰向けで膝を抱える単純なストレッチ/梨状筋を意識した股関節外旋ストレッチ/椅子に座って腸腰筋を伸ばすストレッチ/壁を使った中殿筋エクササイズなど、お身体の状態に合うものを丁寧にご案内します。
動作工夫としては、脚を組まずに座る/片側ばかりに重心を置かない/長時間の同一姿勢を避ける/抱っこは可能な範囲で左右交互に/重い荷物は両手で分散するなどを、ライフスタイルに合わせて段階的にご提案します。
また骨盤ベルトは、仙腸関節への過剰な動きを抑え周囲筋への負担を軽減する目的で、日中の活動時に使用するのが一般的です。装着位置(仙腸関節を覆う高さ・上後腸骨棘の高さ)や強さは個人差が大きいので、初回ご来院時に状態を確認しながらご案内します。就寝時や安静時は外すのが一般的とされています。はり師・きゅう師・柔道整復師の3資格を持つ国家資格者が、根拠を共有しながらお伝えするのが当院の強みです。

整形外科・ペインクリニックの治療と並行される方へ

整形外科・ペインクリニックで仙腸関節ブロック注射・神経ブロック注射・高周波熱凝固(RFA)などの治療を受けられている方からも、当院での保存的ケアにご相談いただくことがあります。当院の鍼灸・手技・物理療法は注射とは作用機序が異なるアプローチで、注射の効果を評価する立場にはなく、優劣を比較する内容も書きません。医療機関での治療を中心にしたうえで、現在の治療内容・通院ペース・注射のタイミング(直前・直後の刺激量調整など)を初回ご来院時にお伺いし、主治医の指示を最優先に当院での施術方針を決定いたします。お薬・注射のタイミングは必ず処方医にご相談ください。

鍼灸が初めての方へ — 安全性と刺激量の調整

「鍼は怖い」「痛そう」というご不安をお持ちの方は少なくありません。当院で使用する鍼は使い捨て(ディスポーザブル)のため、感染リスクは極めて低く抑えられており、太さは髪の毛より少し太い程度(一般的に0.16〜0.20mm程度)です。皮膚への刺入時に「ちくっ」とした感覚が出る方もいらっしゃいますが、注射針のような明確な痛みではなく、鍼が筋肉のトリガーポイントに到達した瞬間に「ズーン」とした響き(得気・とっき)を感じることがある程度です。仙腸関節周囲の深層筋(梨状筋・腸腰筋)への施術では、この「響き」が出ることが施術ターゲットへの到達のサインとして重視されますが、刺激量は個人の感受性に合わせて控えめに調整いたします。鍼が怖い方には本数を絞る・浅く刺す・刺さない鍼(接触鍼)での対応も可能ですので、ご遠慮なくお伝えください。施術後は一時的に強い眠気が出る方、施術部位がだるくなる方もいらっしゃいますが、いずれも一過性のことが多く、翌日〜数日で落ち着きます。

通院ペースの考え方

通院ペースは症状の状態・経過・生活背景によって異なるため、一律にお伝えできるものではありません。一般論として、症状が強い時期は週2〜3回のペースで集中的に施術しお身体の状態を整え、症状が落ち着いてきたら週1回〜2週に1回のペースに移行する、というケースが多くみられます。さらに症状が安定してきた段階では月1〜2回のメンテナンスとして通われる方もいらっしゃいます。ただしこれは目安であり、必ずこの頻度で通うべきという基準ではありません。お一人おひとりの症状の必要性に応じて、医師との連携のもとで、無理のない範囲で通院ペースを一緒に検討します。「医学的根拠なく毎日通う・水増しのような通院」は適切ではないと考えており、当院ではあくまで症状継続時の必要性に基づいてご案内します。

参考情報(出典)American Family Physician (AAFP) 2022年3月号 Vol.105, No.3. "Sacroiliac Joint Dysfunction: Evaluation and Management."(慢性腰痛の約25%が仙腸関節由来 / Laslettクラスター3つ以上陽性で感度94%・特異度78% / 初期対応は保存療法を推奨)
Laslett M, Aprill CN, McDonald B, Young SB. "Diagnosis of sacroiliac joint pain: validity of individual provocation tests and composites of tests." Man Ther. 2005;10(3):207-218.(仙腸関節クラスター誘発テストの提示)
・日本仙腸関節研究会 公式サイト(ワンフィンガーテスト・仙腸関節可動域3〜5mmの解説)
・難病情報センター 指定難病271「強直性脊椎炎」公式ページ https://www.nanbyou.or.jp/
・厚生労働省 統合医療情報発信サイト「eJIM」https://www.ejim.mhlw.go.jp/

当院の仙腸関節障害施術が向く方 / 向かない方

すべての方に向くわけではありません。仙腸関節障害(仙腸関節症候群)は整形外科・リウマチ科での問診・徒手検査・必要に応じMRI/CT/血液検査による評価と、類似病態(腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症・梨状筋症候群・股関節疾患・強直性脊椎炎など)の鑑別が先で、その後に保存的なケアの選択肢として施術所を選ぶのが一般的です。当院の鍼灸・柔道整復施術で対応できるケースと、医療機関の受診を優先いただくケースを明確にお伝えします。

こんな方に向いています

  • 整形外科でMRI/CT等の画像検査を受け、ヘルニア・狭窄症の所見が軽微または特に異常なしと言われた方
  • 主治医から「まずは保存療法・運動療法を中心に試そう」と提案された方
  • 主治医と並行して保存的なケアの選択肢を増やしたい方
  • 片側のお尻と腰の境目にワンフィンガーで指せる痛みがあり、レッドフラッグ症状(夜間痛・朝のこわばり30分以上・発熱・体重減少など)はない方
  • 整形外科でブロック注射を受けたが、効果が短くて持続的な対応を希望する方
  • 整形外科で「梨状筋症候群」「坐骨神経痛」と言われたが、お尻の深部痛が長引く方
  • 整形外科で「経過観察」と言われたまま、何ヶ月も改善が乏しく不安が残っている方
  • 産後の片側骨盤痛で、産婦人科の1ヶ月健診で母体の回復が確認されている方
  • ゴルフ・テニス・ランニングなどのスポーツや、介護・建設・農作業を続けながら、無理のないペースで通いたい方
  • 日常生活(家事・育児・仕事)を続けながら、仙腸関節周囲のケアをしたい方

下記の方は他の選択肢を優先してください

  • 10代後半〜30代の若年男性で、夜間痛・朝のこわばり30分以上・3ヶ月以上持続している方 → 強直性脊椎炎の鑑別でリウマチ科・整形外科へ
  • 38℃以上の発熱と片側骨盤の激痛がある方 → 感染性仙腸関節炎の鑑別で整形外科・内科へ
  • 原因不明の体重減少・夜間痛・がん既往がある方 → 腫瘍性病変の鑑別で整形外科へ
  • 会陰部のしびれ・排尿排便障害がある方 → 馬尾症候群の疑いで緊急受診
  • 明らかな外傷後の急激な片側骨盤痛・歩行困難 → 骨盤骨折の疑いで整形外科へ
  • 足の脱力(つま先立ちができない/足を持ち上げにくい)が新規出現 → 神経学的脱落徴候の評価で整形外科へ
  • 整形外科の画像検査をまだ受けていない方 → まず整形外科でご評価を
  • 妊娠中で激しい片側骨盤痛がある方 → かかりつけの産婦人科主治医へ
  • 両側の関節(手指・手首・膝など)が同時にこわばる・腫れる方 → 関節リウマチの鑑別で内科・リウマチ科へ

簡易セルフチェック(自己判断ではなく来院判断の目安です)

以下の項目に該当するものがあるか確認してみてください

  • 整形外科でMRI/CTを受け、ヘルニア・狭窄症の所見が軽微または異常なしと言われた
  • 痛みの場所を人差し指1本で指せる(片側のお尻と腰の境目)
  • 朝の起き上がり/椅子からの立ち上がり/寝返り/片足重心で増悪する
  • 主治医から「まずは保存療法でと言われた」、または「経過観察」と言われている
  • レッドフラッグ(夜間痛で目が覚める・朝のこわばり30分以上・発熱・体重減少・足の脱力・会陰部のしびれ)はない
  • 家事・育児・仕事・スポーツを続けながら、痛みのケアをしたい

該当項目が多い方は、一度ご相談ください。当院では問診・徒手評価でお身体の状態を確認し、必要と判断した場合は医療機関への再受診をおすすめしています。「来院していいか分からない」段階のご相談も歓迎します

初回ご来院の流れ

「初めての鍼灸・整骨院は何をされるか分からなくて怖い」— 特に整形外科でヘルニア・狭窄症と言われたが治療効果が乏しく、片側のお尻と腰の痛みが続く方は心配が大きいと思います。初回ご来院から施術後までの流れを順番にお伝えします。予約制で待ち時間が少なく、お一人おひとりに丁寧に向き合うことを大切にしています。

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Kei鍼灸整骨院 外観(紀の川市打田)
院外観 — 駐車場あり

ご予約・受付 — LINEまたはお電話で

LINE公式(24時間受付・AI対応)、または電話(080-8307-9660)からご予約ください。希望日時と「仙腸関節障害(または片側のお尻と腰の痛み)の相談」とお伝えいただくとスムーズです。問診票を当日記入いただきますので、来院時間の5分前にお越しください。動きやすい服装でのご来院、または当院でお着替え用のショートパンツ・Tシャツの貸出も可能です。スマホ操作が苦手な方は、お電話または家族の方からのご予約でもまったく問題ございません。

→ LINE予約の手順を見る

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Kei鍼灸整骨院 受付
受付・問診票記入のスペース

問診(カウンセリング)

痛みの部位(片側のお尻と腰のどこに・ワンフィンガーで指せるか)/性質(鋭い/鈍い/ズーンと響く)/発症時期/痛みを誘発する動作/普段の家事・仕事・スポーツの内容/産後の方は分娩経過・授乳状況、整形外科での診断内容や治療歴、症状・経過・既往歴、生活/仕事の状況などを丁寧にお聞きします。整形外科の診療情報・画像・診断書をお持ちいただけると、評価がより正確になります

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徒手検査・身体評価

ワンフィンガーテストで痛みの一点を確認し、周囲筋(梨状筋・大殿筋・腸腰筋ほか)の柔軟性・圧痛と動作による痛みの変化を観察します。レッドフラッグ(夜間痛・朝のこわばり30分以上・発熱・体重減少・神経学的脱落徴候など)に該当する所見があれば、施術より先に医療機関の受診をおすすめします。

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施術プランのご説明と同意

評価結果をもとに、推定されるタイプ(産後型・中高年型・スポーツ労務型)・本日行う施術内容・想定される通院ペース・料金・予想される反応について丁寧にご説明します。ご質問・ご不安な点があればこの段階で必ずお伝えください。納得いただいたうえで施術に入ります。鍼が初めての方には本数を絞り、刺激を控えめに設定します。

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Kei鍼灸整骨院 施術室
半個室の施術スペース

施術 — 鍼灸・手技・物理療法

推定されるタイプ・状態に合わせて、鍼灸(周囲筋・特に深層の梨状筋/腸腰筋へ)・柔道整復(手技で骨盤帯〜周囲筋を調整)・ハイボルテージ・超音波を組み合わせます。鍼は使い捨て(ディスポーザブル)・髪の毛より少し太い程度の細さです。施術中は痛みや違和感の変化があればお気軽にお伝えください。痛みが苦手な方には刺激量の調整や刺さない鍼(接触鍼)での対応も可能です。

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アフター説明・セルフケア・次回ご案内

施術後の身体の状態を再確認し、当日〜数日の過ごし方・自宅で行う周囲筋ストレッチ(梨状筋・腸腰筋・大殿筋・腰方形筋ほか)・避けたい動作(脚を組む/長時間の片足重心/横座り/重い荷物の片側持ちなど)・骨盤ベルトの活用方法・育児/スポーツ/労務での動作工夫の一般的なアドバイス・次回ご来院の目安をお伝えします。お会計後、ご希望の方はそのまま次回予約も可能です。LINE公式から後日のご予約・キャンセル・症状のご相談もお気軽にどうぞ。

FAQ

仙腸関節障害特化 よくある質問

整形外科で腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症と言われたものの、MRI/CT画像での所見が比較的軽微で、治療効果も乏しいまま片側のお尻と腰の痛みが残るケースがあります。こうした場合、画像に映りにくい仙腸関節周囲の機能的な問題が背景にある可能性も検討の余地があるとされています。米国家庭医学雑誌(AAFP)2022年3月号では、慢性腰痛の約25%が仙腸関節由来と報告されており、決して稀ではありません。当院では問診とワンフィンガーテスト・周囲筋(梨状筋・大殿筋・腸腰筋ほか)の状態確認でお身体の状態を把握し、施術の可否や対応の組み立てを判断します。なお、確定診断や別の病態(強直性脊椎炎・感染性仙腸関節炎など)の鑑別は整形外科・リウマチ科の領域ですので、診断内容に疑問が残る場合は主治医にもう一度ご相談いただくか、セカンドオピニオンをご検討ください。
仙腸関節障害は機械的な機能不全や周囲組織への負荷が背景にあると考えられており、生活上の負荷因子(片側荷重・長時間の不良姿勢・産後のホルモン影響など)の見直しを進めることで、軽快に向かう方も一定数いらっしゃいます。一方で経過には個人差が大きく、数週間で楽になる方もいれば、数ヶ月から半年以上かかる方もいらっしゃいます。発症初期から負荷コントロール・周囲筋のケアを始めるほど経過が穏やかになる傾向があるとされ、症状の長期化を避けるためにも早めの対応が一般的にすすめられます。完全に違和感が消えるまでに時間がかかる方も少なくないことを念頭に置いて、無理のないペースで取り組むことが大切です。
整形外科やペインクリニックで仙腸関節ブロック注射・神経ブロック注射などを受けられている方からも、当院での保存的ケアにご相談いただくことがあります。当院の鍼灸・手技・物理療法は注射とは作用機序が異なるアプローチで、注射の効果を評価する立場にはありません。医療機関での治療を中心にしたうえで、現在の治療内容・通院ペース・注射のタイミング(直前・直後の刺激量調整など)を初回ご来院時にお伺いし、主治医の指示を最優先に当院での施術方針を決定いたします。お薬や注射の判断は処方医にご相談ください。
産後の片側骨盤痛は仙腸関節周囲への負荷が背景にあるケースが多くみられますが、通院開始時期は分娩経過(経腟分娩・帝王切開)・産後の回復状況・授乳の状況などによって個人差があります。一般には1ヶ月健診で母体の回復が確認されてからご来院いただく方が多いですが、最終的なご判断はかかりつけの産婦人科主治医にご相談ください。「いつから通っていいか分からない」段階のご相談も歓迎します。
妊娠中の片側骨盤痛・仙腸関節周囲痛は、リラキシンというホルモンの影響で骨盤帯の靭帯が緩むことが背景にあるとされ、ご相談をいただくことが多い症状です。ただし妊娠中の施術可否・施術内容・施術時の体位は、妊娠週数・経過・かかりつけ医のご判断によって異なりますので、必ずかかりつけの産婦人科主治医にご相談のうえご検討ください。安定期に入っていない時期や、ハイリスク妊娠と診断されている場合は、ご来院をお控えいただくこともあります。
仙腸関節障害そのものに特化した大規模ランダム化比較試験は当院が把握する限り限定的ですが、当院では仙腸関節周囲の梨状筋・大殿筋・中殿筋・腸腰筋・大腿筋膜張筋・腰方形筋などの過緊張に着目した鍼灸施術を組み立てます。仙腸関節は可動域が3〜5mm程度と非常に小さく強固な靭帯で固定されているため、関節そのものを直接動かすことは困難で、周囲筋の緊張バランスを整えることが現実的な対応の中心になるとされています。鍼は皮下数cmまで届くため、手技だけでは触れにくい深部の梨状筋・腸腰筋などにアプローチできる手段として活用しています。当院は症状緩和の補完的な選択肢としてご案内しており、整形外科の治療を中止する判断はせず、主治医と並行してご相談ください。効果には個人差があります。
強直性脊椎炎(指定難病271)は若年男性に好発する炎症性疾患で、仙腸関節炎を初発症状とすることが多いとされています。特徴として、夜間や明け方の腰・お尻の痛み、朝のこわばりが30分以上続く、症状が3ヶ月以上持続する、運動で楽になり安静で悪化する、といったパターンがあります。これらに該当する場合は当院ではなく、まず整形外科・リウマチ科でHLA-B27の血液検査やMRI・X線などによる鑑別を受けていただくことを最優先にお願いしています。当院は鑑別と確定診断を行う立場にはありませんので、疑いがある段階で速やかに医療機関にご相談ください。
ゴルフ・テニス・ランニングなどの片側荷重のスポーツ、介護・建設・農作業などの片側荷重の労働を続けながら通われる方は多くいらっしゃいます。完全な安静は周囲筋の柔軟性低下を招きやすいため、痛みが強くない範囲での継続が一般的とされています。一方で症状が強い時期は負荷を控える・両側で支える動作工夫を取り入れる・骨盤ベルトを活用する、といった調整が必要になることもあります。継続可能なペースをご一緒に検討します。
仙腸関節障害では特に、梨状筋・大殿筋・腸腰筋・大腿筋膜張筋・腰方形筋などの周囲筋ストレッチが有用とされる場合があります。具体的な内容(仰向けで膝を抱える・梨状筋ストレッチ・腸腰筋ストレッチ・タオルを使った骨盤帯のセルフリリースなど)は、身体の状態によって適切なものが異なりますので、初回ご来院時に状態を確認しながらお身体に合うものを丁寧にご案内します。骨盤ベルトは仙腸関節への過剰な動きを抑える目的で日中の活動時に使用し、就寝時や安静時は外すのが一般的とされています。装着位置(仙腸関節を覆う高さ)や強さは個人差が大きいので、初回ご来院時にあわせて確認します。
症状が強い時期は、片足重心の立ち方を長時間続ける・床に横座り(お姉さん座り)をする・脚を強く組んで座る・片側で重い荷物を持ち続ける・産後の急な体重移動が大きい運動などは、仙腸関節周囲への負荷が高まりやすいとされ、控えめにする方が一般的です。逆に完全な安静は周囲筋の柔軟性低下を招きやすいため、痛みが強くない範囲での歩行・軽いストレッチは継続したほうが経過が良いとされています。自己判断で強くマッサージしすぎたり、急激なストレッチをすると症状が悪化することもあるため、力加減・タイミングはご相談ください。
症状の状態・施術内容によって異なるため、ご来院前の一律料金のご案内はいたしておりません。個別ケースで前後しますが、初回ご来院時のお会計目安として4,000円〜6,000円程度をお持ちいただくと安心です。お悩みを丁寧にお伺いした上で施術プランと共にご案内します。当院は、いわゆる「ワンコイン整体」「短時間流れ作業型」ではございません。国家資格保有者(鍼灸師・柔道整復師)による丁寧な問診・1人ひとりに合わせたオーダーメイド施術を、ご納得いただける時間をかけてご提供しております。そのため、安さや短時間での施術を最優先される方は、当院ではなく他院をお薦めいたします。
Director

院長紹介

紀の川市の鍼灸・整骨院 Kei鍼灸整骨院 院長 瀬田圭佑(仙腸関節障害・仙腸関節症候群対応)

紀の川市の鍼灸・整骨院|院長

瀬田 圭佑

はり師・きゅう師・柔道整復師(3つの国家資格)

紀の川市生まれ。関西医療大学 鍼灸学部・関西医療学園専門学校 柔道整復師学科を卒業後、整形外科クリニックのリハビリ科(大阪府堺市)、鍼灸整骨院(和歌山県かつらぎ町)での臨床経験を経て、2019年8月、紀の川市打田に Kei鍼灸整骨院を開院。仙腸関節障害(仙腸関節症候群)・腰痛・坐骨神経痛・肩こりなど、整形外科診断後の保存的なケアの選択肢として、エビデンスを参照しながら鍼灸・柔道整復施術で対応しています。「ヘルニア・狭窄症と言われたが画像所見が軽微で改善が乏しい」「産後の片側骨盤痛が長引いている」「ゴルフ・介護仕事で片側のお尻深部が痛む」というお悩みに、仙腸関節周囲筋へのアプローチを丁寧にご案内します。

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