ぎっくり腰になった直後、自宅でできる応急処置
「来院までの間、自宅でどう過ごせばいいか」というご質問を多くいただきます。発症から48時間ほどは炎症期と考えられるため、痛みの少ない姿勢で安静を保ちつつ、無理のない範囲で日常動作を再開していくのが現在のスタンダードです。以下は、来院までのつなぎとして自宅でできる対応の一般的な目安です(症状の強さ・経過によって適切な対応は変わるため、最終的な判断は来院時の状態確認を踏まえてお伝えします)。
痛みの少ない姿勢で休む(楽な姿勢の探し方)
仰向けで膝下にクッションや丸めたバスタオルを入れる、もしくは横向きで膝の間にクッションを挟む姿勢が、腰への負担が軽くなりやすいとされています。痛みが少しでも軽い姿勢を見つけて、まずは数十分単位で休んでください。完全な絶対安静を長時間続ける必要はないとされていますが、急性期は体位変換にも痛みを伴うため、無理のない範囲で動かすことから始めるのが目安です。
硬めの布団 / マットがあれば腰の沈み込みが少なく楽な場合があります急性期は強い温熱と長時間の冷却どちらも避ける
発症から48時間以内で痛む部位に熱感・腫れがある場合、長湯・カイロの長時間貼付・熱いシャワーの集中噴射といった強い温熱は症状を悪化させることがあります。一方で、長時間アイシングで深部まで冷やし続けることも、近年の研究では組織修復をかえって遅らせる可能性が指摘されています(Mirkin 2014・Dubois & Esculier 2019)。急性期は短時間のシャワー程度にとどめ、楽な姿勢で休むのが現実的な目安です。発症から数日経って熱感が引いてきた段階では、入浴で温めて血流を促す方が回復をサポートしやすいとされています。
入浴可否は症状の段階で変わります — 迷ったらLINEでご相談を起き上がりは横向き経由で「ゆっくり段階的に」
仰向けから一気に体を起こすと、腰に強い負担がかかります。仰向け→横向きに体を回す→腕で上半身を起こしながら脚をベッドの外に下ろす→ベッドに腰掛けた姿勢→ゆっくり立つ、の段階を踏むのが目安です。便座から立ち上がる時、椅子から立ち上がる時も、両手で支えを取りながらゆっくり行ってください。
「腹筋に力を入れずに、お尻と足の力で立つ」を意識市販の鎮痛薬・湿布は、用法を守って必要時に使う
市販の鎮痛薬・湿布は、痛みのつらさを軽減する手段の一つです。当院は薬の使用を否定する立場ではありません。用法・用量を守ったうえで使用してください。すでに整形外科で処方を受けている方は、自己判断で市販薬を追加せず、処方薬を優先してください。胃腸が弱い方・腎機能に不安がある方・妊娠中の方は、市販薬の使用前にかかりつけ医・薬剤師にご相談ください。
処方薬を受けている方は、市販薬の追加は薬剤師にご確認を「動けない」を長時間続けない — 早めの相談を
「腰痛診療ガイドライン2019」(日本整形外科学会・日本腰痛学会)では、長期間の完全安静はかえって回復を遅らせる可能性が指摘されています。発症から数日経っても痛みが強い、もしくは1週間以上動作が改善しない場合は、自宅で様子を見続けるより専門家のサポートを受けるのが目安です。当院では急性期向けに超音波療法・柔道整復施術・鍼灸を組み合わせて対応しています。
「数日様子を見る」より、紀の川市の当院へ早めにご相談を来院前にLINEで「いつ・何で・どう動かすと痛いか」をひと言お知らせください
発症のきっかけ・現在の状態(立てるか・歩けるか・しびれの有無)を事前にお伝えいただくと、来院時の動線・姿勢のサポート・施術方針の準備がスムーズです。「動けないけど来院していいか」「家族の送迎で行きたい」というご相談も歓迎です。
・厚生労働省 統合医療情報発信サイト「eJIM」https://www.ejim.mhlw.go.jp/
・Qaseem A, et al. "Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain" American College of Physicians Clinical Practice Guideline (2017)